今回の『モンゴル医療援助ボランティア』に参加し、心から良かったと思います。
しかし、すべてに満足できたわけではありませんでした。
それは、何も出来ずに見ていることがほとんどだったからです。
選択によっては違ったのかもしれませんが、私の選択したコースでは何も手伝うことが出来ず、
見学をすることが主となりました。先生方は私達が見たこの状況を、
大勢の人間に広めていくことが大切だとおっしゃられました。
しかし、何も出来ず見ていることしか出来ないというのはとても辛いものです。
手に何の技術も持たない一介の学生である私が、医療に対して直接関わる事など出来ないのは最初からわかっていました。
それでも、何か出来ることは無いかと必死に探しました。
私達には直接手術の手伝いは出来ないですが、その中でも出来ることを見つけました。
それは、術前と術後の患者の心を優しく包んであげることでした。
言葉もわからず身振り手振りで折り鶴を教えたのです。
そして完成したときのあの少年の笑顔を今も忘れることができません。
私達が訪れたのは首都であるウランバートルでした。
その為想像とは大きく違い近代的に思えました。
しかし、表向きはそうであっても中身はまだ発展途上と呼べるものでした。
それが顕著に表れていたのは手術室でした。
モンゴルの手術室には驚くことに窓があったのです。
これがどういうことだか分からない方もいるかもしれませんが、
窓があると言うことはどれだけ完璧に作ろうとも空気が漏れると言う事です。
雑菌の多い外気に直接患部が触れると言う、日本ではとても考えられないことが現実に行われていたのでした。
そして更に恐るべきことは、手術室を蝿が飛びまわっていることでした。
他にも、冷却装置がなく熱の子供に対して適切な処置が出来ないことや、
道具が足りないことなどが多々発生しモンゴルであることを嫌と言うほど感じさせてくれました。
感動を多く抱いた今回の企画にも悲しみや怒りがありました。
以前に『車に絵を描いて送ろう!』という企画があり、私はそれに参加しました。
その車にモンゴルで乗ることが出来ると聞き、楽しみにしていたのですが、
行き違いと嫌がらせにより目にすることが出来ませんでした。
詳しい事情を知ることは出来ませんでしたが、とても悲しかったです。
そして、もっと辛いことがありました。その前に一つ聞きたいのですが、 貴方は観光名所で何を目にしますか?
山ならば絶景を眺め植物に心を惹かれることになるでしょう。海ならば綺麗な水に見惚れ浜の美しさに目を取られるでしょう。
しかし同時にゴミが目に飛びこんできることはありませんか?
モンゴルも同じ事が行われていました。果てしなく広がる大地にゴミが無残に捨てられている。
そんな状況がいつ終わると無く続いていました。ある岩山に登ったときもその状況は変わることはありませんでした。
いえ、逆に酷くなっていったのでした。ガラスビンが無残に砕け、太陽の光りに当てられ輝いていました。
それはとてもきれいでした。人工的に・・・。その状況に耐えられなくなった私は、突然それらを拾うことにしたのでした。
もしその状況に協力してくれる友がいなければ、恥ずかしさに負け何も出来なかったでしょう。
人と違う行動を取ると言うことは、その行動がどれだけ正しいことであろうとも一種の勇気を持たなければなし得ないのです。
最初は二人で始めたことでしたが、友達や先生方も協力していただけることとなりました。
まるでボランティアの輪の広がりに似ていると感じました。
最初は認知されなくともやっているうちに協力者が増えてくる、
本当に小さいことですがボランティアの力の一端を垣間見た気分でした。
そして、地道な努力がボランティアには必要なのだと感じました。
そして一番感動したことは「オユンナ孤児院」でした。
ここの子供達にプレゼントを持っていくと言うことで、 その品を集める為にHPで募集をしたのです。
最初は集まるわけが無いと思っていたのですが、結果的に数十人の方の協力を得ることができました。
本当に嬉しく、モンゴルに行く前から感動に打ちひしがれることとなりました。
そして、孤児院でも嬉しいことの連続でした。
子供達が迎えてくれるときに「こんにちは」と言ってくれたその言葉にも嬉しかったのです。
何気ない一言ですが、何故かとても嬉しく思いました。歯を見ても皆綺麗でとても掃除が行き届いていて驚きました。
今まで他の病院で見てきたどの患者よりも白く綺麗に生えていたのです。
そして、子供達と遊んだりして楽しい時間はすぐに過ぎ去っていたのでした。
別れる時には本当に悲しくて、また来ようと心で誓いました。
更に鞄を忘れて持ってきてくれるという感動のハプニングもあり、一生心に残る思い出となりました。
今回の企画により、私の世界は格段に広がったと思います。
世界がどれだけ困っていたとしても、日本にいればそれが感じられず実感がわきませんでした。
それを肌で目で・・・五感を全て使い感じられた今回の企画は、人生を変えるきっかけに成り得るものでした。
今までもボランティア自体には興味はありましたが、参加することを躊躇うことが多々ありました。
それに、わざわざ参加せずとも街中でも困っている人が大勢いたからです。
しかし、それだけでは結局何も変わらないのかもしれないと今回の企画により悟りました。
もしこれからボランティアに参加できる機会があれば、出切る限り参加したいと思います。
それ以外にも、自分の出来る範囲で人の手伝いが出来るようにしたいです。
今回はありがとうございました。